- 「ナッツってコレステロール値に影響あるの?」
- 「食べ過ぎると、どんなわるいことがあるんだろう…」
- 「ナッツは中性脂肪を減らすの? 増やすの?」
こんな風に思っていませんか?
結論からいうと、カシューナッツをはじめ、ナッツ類は悪玉コレステロールを減らす働きがありますが、食べ過ぎると逆に血中コレステロール値を上げる可能性があります。
この記事では管理栄養士の私が、カシューナッツやナッツ類の食べ過ぎが良くない理由を、論文を元に執筆しています。
ぜひ最後までお読みください!
Contents
カシューナッツの食べ過ぎが良くない理由3選

カシューナッツは非常に栄養価が高い食品ですが、食べ過ぎは悪影響を及ぼします。
代表的な食べ過ぎのデメリットをご紹介します。
①コレステロール値を上げる(カシューナッツの食べ過ぎは良くない)

カシューナッツや、ナッツ類の食べ過ぎは、悪玉コレステロールを増やす可能性があります。
適量であれば、ナッツは血中コレステロール値の改善に役立つ食べ物です。
実際にカシューナッツの摂取によりLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が低下したという研究もあります(参考文献)
これはカシューナッツに、悪玉コレステロールを低下させる不飽和脂肪酸や、抗酸化作用のある栄養素が多く含まれるからです。
しかし、ナッツ自体にも脂肪が含まれています。
カシューナッツであれば、ひと粒の約48%は脂質です。
実はコレステロールの7~8割は糖質や脂質を元に、体内で合成されるのです。
つまりナッツの食べ過ぎは、逆にLDLコレステロール値を上げる可能性があります。
また、普段の食生活も重要になってきます。
コレステロールは糖や脂肪から合成されるので、ナッツ以外で脂質を多く摂取している方は、ナッツの摂取によりLDLコレステロール値が上がりやすいです。
ナッツを食べる際には、適量を心がけることが大切です(適量の目安はこちら)
②肌荒れやニキビを招く(カシューナッツの食べ過ぎは良くない)

カシューナッツの約48%は脂質ですので、食べ過ぎると皮脂の分泌が過剰になる可能性もあります。
ナッツの脂質は天然の不飽和脂肪酸が多く、わるい油ではありませんが、食べ過ぎは禁物。
特に元々オイリー肌の方は食べ過ぎに注意しましょう。
ただカシューナッツには、肌の新陳代謝に効果的な亜鉛も豊富に含まれるので、少量であれば問題ありません。
③太る・中性脂肪が増える(カシューナッツの食べ過ぎは良くない)

カシューナッツは脂質が多いため、カロリーも高い食品です。
食べ過ぎれば、その分中性脂肪は増えやすくなります。
中性脂肪を増やさないためには、食べ過ぎないことと、摂取カロリーを超過しないことが大切です。
特におやつとして食べる場合は、食べ過ぎで一日の総摂取カロリーが増え過ぎないように注意しましょう。
一日に食べるカシューナッツの目安はこちらです。
カシューナッツのコレステロール含有量は?

カシューナッツには、ほとんどコレステロールは含まれていません。
コレステロールは生体内で、ホルモンや胆汁の材料になるもので、野菜や種実類(ナッツ)、豆類にはほぼ含まれていないです。
なので、ピーナッツやアーモンドやミックスナッツにも、コレステロールはほぼ含まれていません。
ただ、ナッツ自体にはコレステロールは少ないですが、脂質は含まれています。
食べ過ぎると体内でコレステロールが合成されるので注意です。
カシューナッツは食べ過ぎなければ、血中コレステロール値を上げることはありません。
カシューナッツの適切な量・食べ方

カシュ―ナッツの適切な、一日の分量や食べ方を解説していきます。
カシューナッツの一日に食べる量

カシューナッツは一日に20粒ほどが適量です。
小腹が空いたときに、おやつとしてカシューナッツを食べる方が多いでしょう。
おやつの適正なカロリーは、一日に200kcalほどです(以下の『お菓子をやめる代わりに食べたいもの19選』という記事で詳しく解説しています)
カシューナッツはひと粒で約8.6kcalほど。
ひと粒ごとに大きい小さいもありますが、20粒でしたら200kcalに収まるでしょう。
以下はカシューナッツ20粒分のカロリー・たんぱく質・脂質・糖質です。
カシューナッツの量 | カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 糖質 |
1粒 | 8.6kcal | 0.3g | 0.7g | 0.3g |
20粒 (一日分) |
172kcal | 6g | 14g | 6g |
100g当たり | 576kcal | 19.8g | 47.6g | 20.0g |
カシューナッツは特別カロリーの高いナッツではありませんが、ほのかな甘味があり、殻がついていない状態で販売されています。
油断すると簡単に食べ過ぎてしまうので、食前に20粒をピックアップしておきましょう。

オイル不使用・無塩ものを選ぼう

カシューナッツは素焼きで無塩のものを選びましょう。
ナッツ自体脂質を多く含む食品ですし、あまり知られていませんが、塩分には中毒性があります。
「食べ始めると止まらない」という事態を避けるためにも、無塩で素焼きのものが良いでしょう。
以下のものはAmazonで一番コスパが良く、内容量も多すぎないので非常におすすめです。
カシューナッツを食べるタイミング

いつでも構いませんが、おやつではなく、食事と一緒に食べるのもおすすめです。
カシューナッツはナッツの中では糖質が高く、それがほのかな甘味を出しています。
血糖値を上げたくない方や、糖質制限をしている方は、いっそ食事に取り入れてしまうのもありです。
中華料理では『鶏肉のカシューナッツ炒め』もありますし、デザートとしてカシューナッツを食べるのもいいでしょう。
またカシューナッツは疲労回復に効果的なビタミンB1が多いので、運動後の捕食としてもおすすめです。
カシューナッツの主な栄養素

カシューナッツに多く含まれる栄養素について解説いたします。
①たんぱく質

カシューナッツは適度にたんぱく質を含みます。
たんぱく質は満腹中枢を刺激しやすいので、カシューナッツは間食にも最適です。
トレーニーにもダイエッターにも、カシューナッツはおすすめの食品です。
②脂質

カシューナッツに含まれる脂質の78%は不飽和脂肪酸という、人間が体内で合成できない脂肪酸です。
カシューナッツには『一価不飽和脂肪酸』が特に多く含まれ、血中の悪玉コレステロールを減らし、血圧を下げることも期待できます(参考文献)
いわゆる”良い油”と呼ばれる脂質なので、毎日の生活に取り入れて行きたいですね。
ちなみに不飽和脂肪酸の量だけなら、ブラジルナッツの方が含有量が多いです。
以下の記事で詳しく解説しています。

③ミネラル類

カシューナッツはミネラル類では
- ナトリウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
を多く含むナッツです。
特に鉄と亜鉛に関しては、一般的に多そうなイメージのあるアーモンドよりも豊富です。
また、特筆すべきは銅を多く含むこと。
植物性食品の中では、カシューナッツは銅の含有量がトップクラスです。
- 神経伝達物質の代謝などに関与
- 様々な酵素の補因子となる
- 骨や血管壁の強化
- 活性酸素を抑える
- 動脈硬化の予防
- 肌の張りを作る
- 免疫力アップ
- 疲労の軽減
- 貧血予防
④ビタミン

カシューナッツは他のナッツと比較しても、ビタミンB1が非常に多いです。
アーモンドの約2.5倍、くるみとピーナッツの2倍も含有しています。
ビタミンB1の効能は美肌効果だったり、ダイエットのサポートなど嬉しいものばかり。
以下の『カシューナッツの効果・効能7選』で詳しく解説しています。
カシューナッツの効果・効能7選

カシューナッツは適量を守って食べれば、様々な健康効果をもたらします。
代表的なものを7つ挙げさせていただきます!
①悪玉コレステロールを減らす

カシューナッツには悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の低下に効果的な不飽和脂肪酸が多く含まれます。
また抗酸化作用のあるフィトケミカルも含むので、LDLコレステロールが酸化され、蓄積して動脈硬化の原因になるのも防ぎます。
ぜひ普段の食生活にプラスしてみましょう。
②アンチエイジング・美肌効果

カシューナッツは亜鉛が非常に豊富なナッツです。
亜鉛は皮膚のターンオーバーや、コラーゲンの合成にも関与する大事な栄養素。
さらに亜鉛は抗酸化作用のあるビタミンAの働きを活性化させます。
そしてカシューナッツは、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB1も多く含みます。
ミックスナッツに入っているナッツの中では、カシューナッツが最もビタミンB1の含有量が高いです。
③痩せやすい身体作り

カシューナッツは非常にビタミンB1の含有量が多いのですが、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるサポートをします。
糖代謝を促すので、ダイエットのサポートをします。
ちなみに、ケーキやチョコレートなどの砂糖菓子ばかり食べていると、体内のビタミンB1が枯渇します(代謝に必要なので)
ダイエット中のおやつとして、特に利用したい食材です。
④貧血予防

カシューナッツは非常に鉄分の多いナッツです!
ミックスナッツに入っているナッツの中では、最も鉄の含有量が多いです。
貧血予防以外の鉄の健康効果は、
- 疲労回復
- コラーゲンの合成
- 学習能力の低下を軽減
などと、良いものばかり。
鉄は吸収率が低いため、サプリメントなどに頼らなければ、過剰症になることもほとんどありません。
積極的に摂っていきたい栄養素です。
⓹便秘の解消

あまり知られていませんが、不飽和脂肪酸には便秘解消効果があります。
不飽和脂肪酸の中でも、カシューナッツに多く含まれる『一価不飽和脂肪酸』には腸のぜんどう運動を促す効果があるのです。
さらに嬉しいのが、カシューナッツには食物繊維も含まれているということ。
素焼きのものでしたら、腸内細菌を殺す添加物も含まれていませんし、腸内環境には非常に良い食べ物です。
食物繊維の量だけみれば、ピーナッツの方が含有量が高いので、よろしければ以下の記事もお読みください。

⑥疲労回復に効果的

カシューナッツに多く含まれるビタミンB1は、疲労回復に効果的です。
エネルギー産生に関与するビタミンなので、運動後などは積極的に摂りたい成分です。
また、近年疲労には活性酸素が関与していることも分かってきたのですが、カシューナッツに多く含まれる銅にも、活性酸素を取り除き疲労を軽減する効果があります。
疲れにくい身体作りに大切なマグネシウムも豊富です。
日々の生活をサポートしてくれる良質な食材といえるでしょう。
⑦性機能の活性化&精神安定

カシューナッツは亜鉛をトップクラスに多く含むナッツです。
亜鉛には卵巣の機能を改善する効果があります。
卵巣は女性ホルモンを分泌する臓器でもあるため、亜鉛の摂取により生理痛・生理不順の改善なども期待でき、心身ともに健康を保持できます。
男性の場合も生殖器に有益な栄養素で、精子の形成に亜鉛は欠かせないミネラルです。
カシューナッツの栄養成分一覧!!

カシュ―ナッツの栄養成分を一覧にしました。1粒分から記載していますので、ぜひご覧ください。
1粒 (約1.5g当たり) |
100g当たり | |
エネルギー | 8.6kcal | 576kcal |
たんぱく質 | 0.3g | 19.8g |
脂質 | 0.7g | 47.6g |
炭水化物 | 0.4g | 26.7g |
糖質 | 0.3g | 20.0g |
食物繊維 | 0.1g | 6.7g |
ナトリウム | 3.3mg | 220mg |
カリウム | 8.85g | 590mg |
カルシウム | 0.57mg | 38mg |
マグネシウム | 3.6mg | 240mg |
鉄 | 0.07mg | 4.8mg |
亜鉛 | 0.08mg | 5.4mg |
セレン | 0.41μg | 27μg |
ビタミンA | 0.02μg | 1μg |
ビタミンE | 0.01mg | 0.6mg |
ビタミンB1 | 0.01mg | 0.54mg |
ビタミンB2 | 0,003mg | 0.18mg |
ナイアシン | 0.01mg | 0.9mg |
葉酸 | 0.95mg | 63μg |
ビタミンC | 0.00mg | 0mg |
食塩相当量 | 0.01g | 0.6g |
まとめ

カシューナッツは非常に栄養価が高いので、適量を守って食べれば大変な健康効果があります。
ただ食べ過ぎれば、この記事で書いたようなデメリットもありますし、あえて書きませんでしたが、単純にお腹が痛くなることもあるでしょう。
適切な摂取量を守って、きれいに健康になりましょう!