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【完全版】夜にピーナッツを食べて大丈夫⁉ ダイエット専門管理栄養士が徹底解説

  • 「夜に間食したいけど…ピーナッツなら食べてもいいかな?」
  • 「味付きのピーナッツはカロリ-高そうだけど、太るの?」
  • 「他のナッツ類と比べて、ピーナッツは太りやすいの?」

そんな風に思っていませんか?

この記事ではダイエット専門管理栄養士の私が、ピーナッツを寝る前やダイエット中に食べるコツや、栄養・健康効果まで徹底解説しています。

ぜひ最後までお読みください!

寝る前にピーナッツは食べない方が良い

結論から言うと、寝る前にピーナッツを食べることは控えた方がいいです。なぜなら、

  1. 未消化のものがあると睡眠の質が落ちる
  2. 夜はカロリー消費が落ち、血糖値も上昇しやすい

からです。

こちら に記述していますが、ピーナッツはカロリーがそれなりにあります.

それだけでなく、たんぱく質・脂質・食物繊維も多く含む食材です。

たんぱく質や食物繊維が多いということは、食品として素晴らしいことですが、消化には時間がかかるため、寝る直前に食べることは控えた方がいいです。

最低でも、寝る2時間前には食べ終わっていたいもの。

ジャンクフードや洋菓子を寝る直前に食べるよりは、ピーナッツを食べる方がはるかにマシですが、それでも寝る前には食べないようにした方がいいでしょう。

ピーナッツのダイエット中の食べ方

ピーナッツのカロリー・炭水化物・脂質は以下のようになっています。

カロリー(kcal) 炭水化物 脂質
ピーナッツ一粒 約3kcal 約0.05g 約0.24g
ピーナッツ20粒~30粒(一日分の量) 約60~90kcal 約1.0~1.5g 約4.8~7.2g
ピーナッツ 100g当たり 613kcal 10.1g 50.5g

参考:日本食品成分表 八訂版

市販のピーナッツは炒ってあるものがほとんどなので、ピーナッツ(炒り)の栄養成分を記載しています。
これを踏まえてお話ししていきます。

ピーナッツの1日に食べる量は?

ピーナッツは1日に20~30粒程度が好ましいです。

間食は一日に200kcalほどが適正といえます(下の『お菓子をやめる代わりに食べたいもの19選!』で詳しく解説しています)

ピーナッツは20~30粒なら、わずか60~90kcal

200kcal以内に余裕で収まるので、ダイエット中でも安心して食べられます。

また、殻付きのピーナッツをひとつかみしたときに、だいたい20~30粒の量になります。

目安としてぜひご活用ください。

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ピーナッツを食べる時間帯は?

昼~夕食までの時間に、おやつとして食べることがおすすめです。

ピーナッツはたんぱく質・脂質・食物繊維も豊富な食材であるため、腹持ちが良く、間食として利用するのにぴったりの食材です。

栄養も豊富ですし、夕食までの空腹感を抑えてくれるうえに、様々な健康効果が期待できます。

ピーナッツの健康効果はこちら で解説しています。

ピーナッツのダイエット効果

ピーナッツはダイエット中でも食べられるどころか、ダイエットにプラスの効果をたくさん持ちます!

ひとつずつ解説していきます!

①圧倒的GI値の低さ(ピーナッツのダイエット効果)

ピーナッツは低GI値食品(血糖値を上げにくい食品)ですので、ダイエット中でも安心して食べられます。

以下は主な食品のGI値を、グラフにしたものです。

 

GI値
ピーナッツ 28
30
オレンジ 31
りんご 36
そば 54
ホットケーキ 80
うどん 85
ご飯 88
食パン 95

GI値とは、『食後血糖値の上昇度合い』を表したもの。

血糖値が高い状態が続くと、糖が脂肪に変換されやすくなります。

そのため高血糖になりすぎない状態を作ることが、ダイエットには良いとされていますが、ピーナッツのGI値はわずか28

炭水化物をさほど含んでいない、卵より低いことには驚きです。

上の表には記載していませんが、おやつに食べられることの多い、ドーナッツ・ショートケーキ・チョコレートなどの洋菓子は、どれもGI値80以上です。

ピーナッツはこれら砂糖菓子に比べ、血糖値を上げない優秀なダイエット食材です。

②脂質は多いが太りにくい(ピーナッツのダイエット効果)

脂質が多いというと、太りやすいイメージがあるかもしれません。

しかしピーナッツの脂質はオレイン酸や、リノール酸などの、不飽和脂肪酸が80%です。

不飽和脂肪酸は植物や魚に多く含まれる油で、優先的に燃焼されるので、体脂肪になりにくいという特徴があります。

また、不飽和脂肪酸はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を低下させるため、血行を良くする効果も期待できます。

血行が良好だと代謝も上がって、老廃物も蓄積しにくくなるのです。

ピーナッツはカロリーや脂質量の割りに、太りにくい食材といえます。

③ビタミンB群による脂肪燃焼効果(ピーナッツのダイエット効果)

実はダイエットにはビタミン、特にビタミンB群も非常に大切です。なぜなら、

  • ビタミンB1……糖質の分解に必要
  • ビタミンB2……脂質の代謝を促す

からです。
せっかくダイエットをがんばっているのに、脂肪が燃えにくいなんて、嫌ですよね。

ピーナッツはビタミンB1・B2が豊富なので、ダイエット中に捕食として、ぜひ利用したい食品です。

ビタミンB1・B2、は新陳代謝を活性化する働きもあるので、髪や肌などをハリのある状態に保つこともできます。

④カリウムでむくみ解消(ピーナッツのダイエット効果)

ピーナッツには、むくみの解消に効果的なカリウムが豊富に含まれています。

むくみは余剰な水分が皮下組織にたまることで起こります。

特に体内にナトリウムが過剰になったときに起こるのですが、カリウムは余分なナトリウムを尿中に排泄する作用を持ちます。

一般的にカリウムが多い食材といわれるほうれん草・人参・枝豆よりも、ピーナッツは多くのカリウムを含んでいます!

むくみを解消したいときには、食事にピーナッツをプラスしましょう。

カリウムの多い食材の例(100g当たり)
切り干し大根(乾燥状態) 3,500mg
ピーナッツ 760mg
ほうれん草 690mg
里芋 660mg
枝豆(冷凍) 650mg
人参 630mg
アボカド 590mg
モロヘイヤ 530mg
小松菜 500mg
ブロッコリー 460mg

参考:日本食品成分表 八訂版

⓹便秘解消で基礎代謝アップ(ピーナッツのダイエット効果)

便秘は基礎代謝の低下を招きます。

腸は様々な臓器と密接につながっているので、腸の働きが落ちると、身体全体の代謝機能も低下してしまいます。

ピーナッツには腸のぜんどう運動を促すオレイン酸が豊富に含まれ、腸内の水分量を調節し、腸内環境を整えるマグネシウムも豊富。

善玉菌のエサとなる、不溶性食物繊維もたっぷり含むので、お通じにも効果的です。

ピーナッツの驚くべき健康効果!!

ピーナッツはダイエット以外にも、様々な健康効果をもたらします。

代表的なピーナツの健康効果をご紹介します!

①強力なアンチエイジング作用

ピーナッツは抗酸化作用を持つビタミンEを豊富に含むだけでなく、『薄皮』に抜群のアンチエイジング効果を持ちます。

ピーナッツの薄皮には、『レスベラトロール』というポリフェノールの一種が含まれているからです。

これはぶどうの皮や赤ワインにも含まれている植物性成分で、お肌を美しく保つだけでなく、悪玉コレステロールを低下させたり、動脈硬化の予防も期待できます。

副作用も報告されていませんので、ピーナッツを食べるなら、薄皮ごと食べるのがおすすめです!

②血圧を下げ、心血管疾患を予防する

ピーナッツには『アルギニン』というアミノ酸が含まれます。

このアルギニンは血管を拡張し、血流を促進する効果があるので、高血圧や心臓病の予防に効果的です。

またアルギニンは動脈を柔軟にする効果もあるため、動脈硬化も防ぎます。

ピーナッツのアルギニン含有量は、100g当たり、3,200mg。

これはアーモンド、くるみなどのナッツ類と比較しても非常に多い量です。

(アーモンド、クルミともにアルギニンは100g中に、2,200mgです)

また、アルギニンは成長ホルモンの分泌を促すアミノ酸でもあります。

肌のターンオーバーも促進されるので、美容にも非常に良い成分です。

③二日酔いに効く

ピーナッツはアルコールの代謝を高める『ナイアシン』(ビタミンB3)が非常に多く含まれます。

ナイアシンは様々な代謝に関与しますが、有名なのはアルコールの分解に作用すること。

お酒を呑むときは、おつまみにピーナッツを食べることで、肝臓の負担を減らすことができます。

二日酔いの予防につながるので、お酒を飲むときには、ぜひ試してみましょう。

④記憶力を上げる

ピーナッツは記憶力の向上や、将来の認知症予防に効果的です。理由は、

  1. 『レシチン』という脂質を含む
  2. ポリフェノールを含む

からです。レシチンという成分は、体内で分解されてコリンになり、さらにアセチルコリンという神経伝達物質の材料になります。

アセチルコリンは記憶力低下を防ぎ、神経細胞の働きを助けます。

また、ポリフェノールには脳の血流を良くする作用や、アルツハイマーの原因となるたんぱく質の蓄積を抑える効果があります。

高い抗酸化作用で、脳の老化も防止します。

ピーナッツQ&A

ピーナッツについて、よくある質問に解答していきます!

ピーナッツバターはダイエットに良い?

特別ダイエットに良いわけではないです。

ペースト状になっているので、量を多く食べてしまいがちですし、加糖のものはカロリーもそれなりにあります。

植物油脂などが加えられているものもありますが、植物油脂はトランス脂肪酸(動脈硬化の原因)が生じている可能性もあるので、控えた方が無難です。

無糖で植物油脂を使っていないもの、食品添加物無添加のものでしたら、ダイエット中でも食べて大丈夫です。

以下のものは、原材料は『ピーナッツ』のみですので、非常におすすめです。

ココアピーナッツ、バターピーナッツは太る?

太りやすいので控え目にしましょう。

ピーナッツ自体は栄養の詰まった食材ですが、ココアピーナッツ、バターピーナッツは砂糖や油でコーティングされています。

当然カロリーは高くなっていますし、少量で食べるのをやめるのが難しいことも懸念されます。

ちなみに一日に食べるおやつの量は、200kcalほどが適切です(詳しくはこちらの記事をご覧ください)

どうしても食べたい方は、200kcalに収まる程度の量がおすすめ。

またバターピーナッツが好きな方は、薄皮つきのピーナッツを買って来て、自分でバターを使ってバタピーにするのも良いでしょう。

味も香りも良くなるので、満足感が段違いです。

ピーナッツは他のナッツより太りやすい?

他のナッツと比べて太りやすい、ということはありませんし、ピーナッツ自体太りにくい食べ物でもありません。

主要なナッツのカロリーと三大栄養素を以下に記述します。

ナッツ類のカロリー一覧

カロリー たんぱく質 脂質 炭水化物
ピーナッツ 613kcal 23.6g 50.5g 10.1g
アーモンド 608kcal 19.0g 54.2g 5.6g
カシューナッツ 577kcal 19.9g 47.8g 26.8g
くるみ 675kcal 14.7g 68.9g 11.8g
マカダミアナッツ 721kcal 8.8g 76.8g 4.8g
ピスタチオ 516kcal 14.5g 47.1g 17.4g
ヘーゼルナッツ 676kcal 13.4g 68.5g 13.6g
松の実 724kcal 13.7g 66.7g 5.1g

参考:日本食品成分表 八訂版

ご覧の通り、ピーナッツが特別カロリーが高かったり、脂質が多い、ということはないです。

ピーナッツはたんぱく質や食物繊維も多いので、炒っただけのものでしたら、太りやすいということはないです。

ピーナッツの栄養成分一覧!!

市販のピーナッツは炒ってあるものがほとんどです。

なのでピーナッツ(炒り)の栄養成分を記載します。

ピーナッツ(炒り)の栄養成分(100g当たり)
エネルギー 613kcal
水分 1.7g
たんぱく質 23.6g
脂質 50.5g
コレステロール 0mg
炭水化物 10.1mg
食物繊維 11.4
ナトリウム 2mg
カリウム 760mg
カルシウム 50mg
マグネシウム 200mg
1.7mg
亜鉛 3.0mg
ビタミンA 1μg
ビタミンD 0μg
ビタミンE
18.3mg
ビタミンB1 0.24mg
ビタミンB2 0.13mg
ナイアシン
17.0mg
葉酸 58μg
ビタミンC 0mg
食塩相当量 0g

参考:日本食品成分表 八訂版

まとめ

寝る直前の食事は、体重増加と質の悪い睡眠の要因となります。

しかしピーナッツは絶大な健康効果を持つ食材です。

上手に普段の食生活に取り入れて、健康で元気な身体を手にしましょう!

ABOUT ME
ナオキ
夜勤の管理栄養士です。元デブ。きれいになりたい気持ちは男も女も一緒!