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【管理栄養士執筆】寝る前のチーズは痩せる? 太る? その他健康効果も徹底解説

「お腹が空いて寝れないけど、チーズなら食べてもいいかな…?」
「チーズって脂質が多いイメージだけど、太らないかな?」
「ダイエット中にチーズって食べていいの?」

そんな風に思っていませんか?

結論から言うと『寝る直前は何も食べない方がいいですが、どうしても食べたいならチーズがおすすめ』です。この記事では、

  • 寝る前になにも食べない方がいい理由
  • 寝る前におすすめのチーズランキング
  • 各チーズのダイエット効果

について徹底解説しています。ぜひ最後までご覧ください!

寝る前のチーズは痩せる? 太る?

まず、寝る直前はなにも食べない方がいいです。

寝ている間はエネルギー消費も低下しますので、寝る直前に食べた場合、体脂肪になりやすくなってしまいます。

また、寝る直前に食べると未消化のものが胃に残ったまま眠ることになります。

これにより睡眠が浅くなると

  1. 食欲アップ
  2. 自制心が低下する
  3. ストレスに弱くなる
  4. 翌日の集中力が出ない
  5. 免疫が弱まって感染症にかかりやすくなる

とわるいことだらけ。

しかし、「どうしても固形物を食べないと眠れない!!」という日もあることでしょう。

そんなときはチーズがおすすめです。

寝る前に食べるならチーズが良い理由7選

どうしても寝る前に食べるなら、チーズがおすすめです。
理由を7つ、ピックアップしました。

①満足感が出やすい(寝る前にチーズが良い理由)

寝るときは胃に食べものがない方が良いですが、チーズは満腹感を誘発しやすいたんぱく質と脂質の固まりです。

これにより少量でも満足しやすい特徴があります。

種類によっては歯ごたえもあるので、さらに満足中枢が働きやすくなっています。

②身体につきにくい(寝る前にチーズが良い理由)

チーズの脂質は短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸が多いです。

これは一般的な脂質に比べ分解されやすいので、体脂肪になりにくいという特徴があります。

また、短鎖脂肪酸にはエネルギー消費を高める効果もあります(参考文献

チーズはカロリーの割りには太りにくい食材といえるでしょう。

③ビタミンB2が豊富(寝る前にチーズが良い理由)

ビタミンB2には脂質代謝をサポートする働きがあります。
つまり脂肪を燃えやすくしてくれるんですね。

実はチーズはあらゆる食品の中でもビタミンB2が多い食べ物。

ビタミンB2が多いことで消化が良くなるわけではありませんが、体脂肪にはなりにくいといえます。

④糖質が少ない(寝る前にチーズが良い理由)

チーズは糖質が少ないので、寝る前に食べてもさほど血糖値を上げません。

寝る直前に糖質量の多い食品を食べると覚醒してしまいますが、チーズはその心配もありませんし、余った血糖が体脂肪に変わるリスクも少ないです。

ダイエット中や、糖質制限をしている方にも嬉しいですね。

⓹消化されやすい(寝る前にチーズが良い理由)

たんぱく質と脂質は消化されにくい栄養素ですが、チーズはそれらの含有量が多い割に、消化吸収がしやすいです。理由は、

  1. 乳酸菌が含まれるから
  2. 脂肪球が小さいから

です。

チーズに含まれる乳酸菌は、たんぱく質をアミノ酸に分解する性質を持ちます。

人間はたんぱく質をアミノ酸の状態で吸収しますので、チーズのたんぱく質は吸収されやすい状態になのです。

また、『脂肪球が小さい』というのもチーズが消化に良い理由です。

牛乳の脂肪は、牛乳に溶けているわけではなく、脂肪球という小さな球状になって牛乳中に存在しています。

しかしチーズは熟成過程で、その脂肪球が小さくなっているため、脂質が消化しやすい状態になっています。

⑥グルタミン酸が消化を促す(寝る前にチーズが良い理由)

チーズにはうま味成分である『グルタミン酸』が含まれます。

グルタミン酸には、

  1. 消化の促進
  2. 胃粘膜を保護
  3. 脂肪の蓄積抑制

をする効果が確認されています。

寝る直前に食べても、胃腸の健康を損ねにくいでしょう。

⑦誘眠作用がある(寝る前にチーズが良い理由)

チーズは乳製品であるため、トリプトファンというアミノ酸を含みます。

トリプトファンは体内でメラトニンという睡眠ホルモンに代謝され、質の良い睡眠を誘います。

乳製品全般にいえることですが、食事に取り入れることで寝つきが良くなるでしょう。

寝る前におすすめのチーズランキング

寝る前に食べるのにおすすめのチーズを、ランキング形式でご紹介します。

チーズは食物繊維とビタミンC以外の栄養素をバランスよく含んでいます。

糖質量は『炭水化物-食物繊維量』ですので、炭水化物と糖質は合わせて記載します。

1位.カマンベールチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆☆☆☆☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆

最も寝る前におすすめのチーズは、カマンベールチーズです。

総合的に見て、入眠前に食べるならかなり良いと思いました。

たんぱく質、脂質も豊富なので、少量でお腹いっぱいになりやすいですし、内部は半液体なので消化もしやすいです。

ただ、ダイエット中の食べ過ぎには注意です。

カマンベールチーズはホールだと270kcal以上あります(参考

間食として食べるものは、一日200kcalほどが適正です(詳しくは以下の『お菓子をやめる代わりに食べたいもの19選』で解説しています)

カマンベールを間食や、寝る前に利用したい方は、6ピースのものを購入すると良いでしょう。

【決定版】お菓子をやめる代わりに食べたいもの19選!管理栄養士が解説(バナナなど)お菓子をやめて、きれいにダイエットしたい方必見!この記事では、お菓子の代わりに、間食に最適な食材を完全に網羅しています!ダイエット中に、バナナ、ナッツ、ヨーグルトを食べるときのコツも記載しているので、きっとあなたの食生活に役立ちます!...
カマンベールチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 291kcal
たんぱく質 17.7g
脂質 22.5g
炭水化物(糖質) 4.2g
ナトリウム 800mg
カリウム 120mg
カルシウム 460mg
マグネシウム 20mg
0.2mg
亜鉛 2.8mg
ビタミンA 240μg
ビタミンD 0.2mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.48mg
葉酸 47μg
ビタミンC 0mg
食塩相当量 2.0g

参考:日本食品成分表 八訂版

2位.リコッタチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆☆☆☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆☆

2番目に寝る前におすすめのチーズは、リコッタチーズです。

あまり聞かない名前かもしれませんが、チーズの生成過程で生じるホエー(乳清)を再利用して作るので、”ricotta”(再び煮た)という名前になりました。

乳脂肪分の多いカッテージチーズのような風味で、非常に食べやすくなっています。

カッテージチーズと違い脂質も適度に含み、優しい味わいで入眠前におすすめです。

カロリー・脂質量も、カッテージチーズの次に低いので、ダイエット中の間食にもぴったり。

市販のチーズに飽きたら試してみましょう。

リコッタチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 159kcal
たんぱく質 7.1g
脂質 11.5g
炭水化物(糖質) 6.7g
ナトリウム 160mg
カリウム 210mg
カルシウム 340mg
マグネシウム 20mg
0.1mg
亜鉛 0.3mg
ビタミンA 160μg
ビタミンD 0mg
ビタミンB1 0.04mg
ビタミンB2 0.21mg
葉酸 4μg
ビタミンC 未測定
食塩相当量 0.4g

参考:日本食品成分表 八訂版

3位.ゴーダチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆☆☆☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆☆

最近はスーパーでも見かけるようになってきた、ゴーダチーズ。

ここで紹介するチーズの中では最もたんぱく質が多く、脂質も含むので満腹になりやすいチーズです。

入眠前の空腹を満たすにはうってつけ。

しかしたんぱく質が多いので、就寝前の食べすぎには注意。

たんぱく質は胃内停滞時間が長いので、食べ過ぎると睡眠の質を落とします。

ダイエットでは、特に筋トレをやっている方におすすめ。

バルクアップの力強い味方になってくれるでしょう。

ゴーダチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 356kcal
たんぱく質 26.3g
脂質 26.2g
炭水化物(糖質) 3.7g
ナトリウム 800mg
カリウム 75mg
カルシウム 680mg
マグネシウム 31mg
0.3mg
亜鉛 3.6mg
ビタミンA 270μg
ビタミンD 0mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.33mg
葉酸 29μg
ビタミンC 0mg
食塩相当量 2.0g

参考:日本食品成分表 八訂版

4位.カッテージチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆☆☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆☆☆

いわずと知れた、最強ダイエットチーズこと、カッテージチーズ。

すべてのチーズの中で最も低カロリー・低脂肪という素晴らしい食品です。

しかし寝る前は食べ過ぎに注意しましょう。

満腹感を誘発する脂質が少ない分、ついつい量を食べてしまいがち

たくさん食べると、それだけたんぱく質の摂取量も増えます。

たんぱく質は消化しづらいので、就寝直前は控えめに。

ダイエット中はその圧倒的なカロリーの低さから、間食やサラダ、デザートにも活用できるでしょう。

カッテージチーズにはちみつをかけると、チーズケーキっぽい味になります。

ただ、スーパーで売っているカッテージチーズは、『ソルビン酸カリウム』や『pH調整剤』という危険な添加物が入っていることが多いです。

特にソルビン酸カリウムは発がん性も懸念されているので、食べないことをおすすめします。

以下のものでしたら原材料は『生乳、食塩』だけなので安心。味も良いですよ。

カッテージチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 99kcal
たんぱく質 13.2g
脂質 4.1g
炭水化物(糖質) 2.2g
ナトリウム 400mg
カリウム 50mg
カルシウム 55mg
マグネシウム 4mg
0.1mg
亜鉛 0.5mg
ビタミンA 37μg
ビタミンD 0mg
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.15mg
葉酸 21μg
ビタミンC 0mg
食塩相当量 1.0g

参考:日本食品成分表 八訂版

5位.モッツアレラチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆☆

独特のモッチリした食感が病みつきになる、モッツァレラチーズ。

高タンパク低糖質の素晴らしい食品ですが、完全に固形のチーズなので消化に時間がかかります。

また、水分が多いので、トイレが近い方は、寝る前に食べるのは控えておきましょう。

ダイエット中は間食、サラダ、カプレーゼと活躍間違いなし。

ミルキーでほのかな甘味があるのも嬉しいですね。

モッツアレラチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 269kcal
たんぱく質 18.4g
脂質 19.9g
炭水化物(糖質) 4.2g
ナトリウム 70mg
カリウム 20mg
カルシウム 330mg
マグネシウム 11mg
0.1mg
亜鉛 2.8mg
ビタミンA 280μg
ビタミンD 0.2mg
ビタミンB1 0.01mg
ビタミンB2 0.19mg
葉酸 9μg
ビタミンC 未測定
食塩相当量 0.2g

参考:日本食品成分表 八訂版

6位.チェダーチーズ(寝る前におすすめのチーズ)

 寝る前のおすすめ度:☆
ダイエットおすすめ度:☆☆☆

チェダーチーズは、あらゆるチーズの中で最も糖質が少ないというメリットを持ちます。

反面、脂質に関してはクリームチーズ以上に含まれているので、カロリーが高いというデメリットがあります。

また、水分が少なくセミハードな食感なのも特徴です。

完全に固形であることと、量を食べてしまいがちなので、寝る前にはおすすめしません。

日中に適量食べるなら問題ないでしょう。
たんぱく質も多めなので、トレーニングをしている方にもおすすめ。

チェダーチーズの栄養成分(100g当たり)
エネルギー 390kcal
たんぱく質 23.9g
脂質 32.1g
炭水化物(糖質) 0.4g
ナトリウム 800mg
カリウム 85mg
カルシウム 740mg
マグネシウム 24mg
0.3mg
亜鉛 4.0mg
ビタミンA 330μg
ビタミンD 0mg
ビタミンB1 0.04mg
ビタミンB2 0.45mg
葉酸 32μg
ビタミンC 0mg
食塩相当量 2.0g

参考:日本食品成分表 八訂版

寝る前のチーズのQ&A

チーズについてよくある疑問についてお答えいたします!

Q1.チーズは夜食に最適?

基本的に夜食自体食べない方がいいですが、どうしても食べるならチーズは夜食に向いているといえるでしょう。

たんぱく質を補給できるので、少量で満足できますし、添加物が少ないものも多いです。

カップラーメンや菓子パンを食べるよりも、はるかにマシです。

しかし、チーズには誘眠作用があります。

3時間後くらいに寝る予定なら食べても良いですが、夜通し起きていたいなら別のものを選ぶことをおすすめします。

Q2.寝る前のチーズは虫歯予防になる?

虫歯予防にはなるかもしれませんが、過信は禁物です。

チーズには『リン酸カルシウム』が含まれていますので、口腔内のpHが酸性に傾き、歯の表面が溶けだすのを防ぎます

しかし大前提として、虫歯は砂糖が原因の現代病。

本気で虫歯予防をしたいなら砂糖を控えることが一番です。

おやつにチーズを選択しても良いですね。

まとめ(寝る前におすすめのチーズ)

チーズは添加物の少ないものも多く、寝る直前に食べ過ぎなければ太ることもない、優秀な食品です。

手軽にたんぱく質を補給できるので、小腹が空いたときやダイエット中にもおすすめ。

ぜひぜひ有効活用していきましょう!!

ABOUT ME
ナオキ
夜勤の管理栄養士です。元デブ。きれいになりたい気持ちは男も女も一緒!